2013年10月31日木曜日

安倍総理トルコ訪問 その2

前回に引き続き、政府のウエブサイトより抜粋紹介します。

安倍総理の日程をみると、目的が何かが見えてきます。同時に、今後のトルコ・日本での展開予測がつきます。来年の1月にはエルドアン首相が日本を訪問されることでしょう。


              イスタンブールのカディル・トプバシュ市長と握手する安倍総理
  同カディル・トプバシュ市長の表敬を受ける安倍総理(写真:内閣広報室)
10月28日
 (1)トプバシュ・イスタンブール市長の表敬
 (2)マルマライ・プロジェクトJV(大成建設他)主催レセプション参加
10月29日
 (3)エルトゥールル号乗組員子孫及びテヘラン空港邦人救出機パイロット等関係者の表敬
 (4)トプカプ宮殿視察
 (5)マルマライ・プロジェクト開通式典参加
 (6)日トルコ首脳会談及び共同記者会見
 (7)エルドアン首相主催各国首脳・閣僚との夕食会参加
やはり、気になるのは日トルコ首脳会談の内容ではないでしょうか。

エルドアン首相と首脳会談が行われました。その後、トルコと関係の深い日本企業トップを交えた会合が行われ、共同記者会見へと続きました。首脳会談の概要は以下の通りです。
政治・地域情勢
  • 地勢的要衝にあり、多方向外交を展開しているトルコとの間で,安全保障戦略面での対話を深めることで一致した。また、両国首脳や外相がより頻繁に会談することが重要であるとの認識の下、総理から、エルドアン首相の早期の訪日を歓迎するとともに、また、ダーヴトオール外相の訪日で両国関係をより緊密なものとしたい旨述べた。
  • 総理から日本の対シリア支援について紹介するとともに、ジュネーブ2の実現に向け連携していくことで一致した。また、イランについて、総理から、先般ローハニ大統領と会談し、近く岸田外務大臣を派遣することなど、核問題の解決に日本として貢献していく旨述べた。
経済
  • シノップ原発プロジェクトについて、日本企業側とトルコ政府との間で商業契約(HGA:施設国政府契約)の交渉が終了し合意に至ったことを歓迎し,「原子力エネルギー及び科学技術分野における協力に関する共同宣言に署名した。
  • 5月にエルドアン首相から提起のあった、トルコ航空の増便について、成田便の増便、名古屋便の新設に政府間で合意に達したことを確認した。
  • エルドアン首相から、農産物を含めた貿易や投資面への、特に日本側における拡大への期待が表明された。総理からは、日本産食品の放射性物質規制に関し、年末に向けてのトルコ側における見直しに期待している旨述べた。
文化・教育
  • 総理から、5月の訪問の際に合意した日トルコ科学技術大学について、日本側で検討委員会を設立したことを紹介し、トルコの検討委員会の早期訪日、日本の各大学の教育現場の視察、日本側との合同委員会実施を提起した。
  • 2015年の公開を目指して進められているエルトゥールル号事件とテヘラン邦人救出をテーマとする日トルコ合作映画について、2015年公開に向けて協力することで一致した。
トルコとの合作映画、一体、どの俳優が選ばれるのか、楽しみです。


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安倍総理トルコ訪問 その1

10月28日〜30日、安倍総理はトルコを訪問しました。年に2回、同じ国を訪問するのは珍しいことです。外務省のホームページから抜粋してお伝えします。


トルコの第一日目は、イスタンブールのカディル・トプバシュ市長の表敬とマルマライ・プロジェクトJV主催レセプションへの参加です。そのレセプションで次のように総理は述べました。

            レセプションでの挨拶(写真:内閣広報室)


「私がまだ若いころ日本で、「飛んでイスタンブール」という曲が流行ったことがありますが、今日、朝、日本を出発して飛んでイスタンブールへやってまいりました。日本は今、夜中の2時ぐらいでありますが、今日この素晴らしい会場へやってまいりまして、トルコの皆様の温かいおもてなしに接して眠気もふっとびました。

明日、トルコ建国90周年という記念すべき日に、トルコの人々にとって150年越しの夢とも言えるボスポラス海峡横断地下鉄が開通をいたします。日本とトルコの協力により達成されたこの歴史的偉業に、心よりおめでとうと申し上げたいと思います。

ユルドゥルム運輸・海事・通信大臣をはじめとするトルコ政府の関係者の方々、大成建設、ガマ社、ヌロール社の日本・トルコ企業の皆様、このプロジェクトに携わった全ての皆様に心から称賛の意を表したいと思います。

イスタンブールは数千年に及ぶ歴史を積み重ねた古い古い都市であります。工事を進める度に出土する遺跡の調査で、工事の遅延に大変ご苦労されたという風に伺っております。ボスポラス海峡のふもと、地下60メートルの深さにトンネルを造るということは不可能に近い工事だという風に伺いました。不可能を可能にする、その関係者の皆様の、その意志の強さ、情熱に対しまして改めて敬意を表したいと思います。

日本政府としても、1999年以来、今計画実現のために約15億ドル以上の円借款を提供し、この壮大な夢を実現するためのパートナーとなれたことは喜ばしい限りでありますし、また日本人として誇りとするところでございます。来年は日本とトルコが国交関係を樹立をして90周年を迎えるわけでありますが、今回のこのボスポラスを結ぶ横断鉄道が、まさに日本とトルコの友情のシンボルとなって、両国がますます関係を密にし、両国関係が発展することを期待しまして、私のあいさつとさせていただきたいと思います。ありがとうございました。」

筆者も生で安倍総理の総理でない頃のスピーチを聴いたことがありますが、自然体でユーモアに富んだ軽妙なスピーチであったことを思い出します。先日のオリンピックの開催国を決めるプレゼンの場でのスピーチも安倍総理らしい言葉遣いと論理構成でした。


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2013年10月26日土曜日

成田・イスタンブール間が更に近くに・・・


トルコ航空は成田/イスタンブール線の増便を11月4日から運航すると発表しました。
新たに運航するのは成田発22時30分のTK53便、イスタンブール発0時50分のTK52便。
これにより、現行の成田発11時55分のTK51便とあわせ、成田発22時30分のTK53便が加わり、昼と夜の2便を選択でき大変便利となります。TK53便はイスタンブール着が午前4時20分のため、各地への乗継ぎも幅広くなるとアピールしています。TK53便は水曜日のみ、約1時間早い21時40分発です。 
増便分にはビジネス、エコノミーの2クラスのA330-200を使用し、現行のTK51便にはビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミーの3クラスの777-300ERを使用します。
トルコ航空のうまい乗り方は、安いエコノミーチケットを購入して、当日、チェックインカウンターでプレミアムエコノミー(コンフォーシート)にアップグレードすることです。確か、250ユーロ+発券手数料で随分と楽しく快適な空の旅を楽しめます。


写真はあるときのビジネスで出された食事です。トルコ航空の旅、快適です。ただ、呼び出しボタンを押しても、反応が鈍いのにも驚かされます。ソフトが追いついておらず、サービスやホスピタリティに関する教育がもっと充実されると名実共に一流の航空会社になるのではないでしょうか。







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    あんずギネス記録

    突然ですが、トルコは乾物大国です。
     

    レーズンやプルーンはもちろん、あんず、いちじく、桑の実など、土産物屋では色とりどりのドライフルーツが店頭を飾っています。トマトやナスなど夏野菜も乾燥させて冬でも使えるし、ヘーゼルナッツやピスタチオに代表されるナッツ類の生産・消費も盛ん。道端でロースト塩味のヒマワリの種をハムスターのようにポリポリ齧っている人の姿も良く見かけます。
    厳しいアナトリアの冬を生き抜くための先祖伝来の知恵。それがトルコの乾物です。

    トルコが誇る様々なドライフルーツの中でも、【カユスKAYIS)】すなわち【あんず】は、特にトルコの名産品として世界に知られていると言っても良いでしょう。

    ここで今年7月、あんずにまつわるギネス記録が樹立されました。
    毎年恒例あんずフェスティバルで、オズテュルクレル・カユス社の協力の元、【カユス・タトゥルス】と呼ばれる干しあんずを使ったお菓子を製作、342kgの記録を達成し、ギネスブックに載ったそうです。

    【カユス・タトゥルス】は、3時間ほど水で戻した干しあんずをお鍋で砂糖と一緒にコトコト煮て、冷めたらあんずの水を切り、ひとつひとつ中を開いてカイマック(クロテッドクリームのようなもの)を詰め、砕いたピスタチオ(またはくるみなどナッツ類)をチラシ散らして出来上がり。

    あんずのきれいなオレンジ色とカイマックの白のコントラストに、ピスタチオ・グリーンの色彩が食欲をそそります。

    トルコ料理人連盟のヤルチュン・マナヴ会長によると、
    「約1か月かけて準備してきました。ギネスには12000のカテゴリーがありますが、私たちの努力で12001個目が開かれました。【カユス・タトゥルス製作】というカテゴリーが新たに創設されたのです。まず最低200kgを超えることが前提条件。カイマックを使い、バターで作り、あんずを一つ一つ開いて中にカイマックを詰め、一つ一つきれいに並べ、全ての列に砕いたくるみを振り、そしてその全てが一つの容器の中に納められねばならない。この名前はギネス・ブックでひとつのポーションとして掲載されています。」とのこと。

    ※写真引用元;http://www.zaman.com.tr/gundem_malatyanin-kayisi-tatlisi-guinnesste_2108212.html(出来上がりの色彩がずいぶん違うような気もするけど・・・?)

    ギネスのトルコ代表・公式認定員セイダ・スバシュ・ゲミジ女史は、発表の中で「今回の挑戦は、世界最大の【カユス・タトゥルス】ポーションというタイトルで、ギネスにはこのようなカテゴリーはそもそも存在しませんでした。ギネスは特にマラティヤのために、マラティヤのフェスティバルのために新しいカテゴリーを創設しました」とコメント。
    ギネスの記録カテゴリーとして新しく認められるものは応募総数からすればごくわずか(※ウィキペディアより)だそうで、マラティヤは今回の快挙に町中が沸いた模様です。

    「マラティヤの知名度を高め、マラティヤ産あんずを世界にもっと知らしめたい」と言うマラティヤ県知事ワスィップ・シャーヒン氏や市長アフメット・チャクル氏も大満足のこの結果。
    「この記録はマラティヤの人々以外に破ることはできないでしょう。将来またマラティヤの市民によって新記録が更新されることを願います」とシャーヒン知事。
    この巨大なあんずスイーツは、その後フェスティバル会場で一般市民にふるまわれたのだそうです。

    甘酸っぱくて濃厚な、そしてどこか懐かしいスイーツ、【カユス・タトゥルス】。
    日本でも作ることはそう難しくはないと思います。
    干しあんずをそのまま食べるのも美味しいけれど、ぜひ一度、こちらもお試しになってみてください。


    ※ニュースソース→http://www.haberzamani.com/yasam/malatya-kayisi-tatlisi-guinness-rekorlarinda-yerini-aldi-h138926.html


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    2013年10月25日金曜日

    トルコに共同で大学

    「トルコに共同で大学」という記事が目に飛び込んできた。昨日の日経の夕刊である。「やっと今になって」という印象と「いよいよここまで」という二面の感想である。それにしても、今後の息の長いトルコ・日本の関係を考えたときに、最も近しくも親しみのある友好国、トルコとの「科学技術の包括連携」をテーマとする合意は手放しで祝したい。

    時あたかも、来週29日はトルコ共和国宣言記念日である。先日来、報道されている今月末の安倍首相のトルコ訪問はそのタイミングも視野に入れたものと考えられるが、三菱重工業が2兆円規模の原発を受注するなど、両国間の関係を更に深化させる上で大歓迎と言える。

    主旨は「両国が共同でトルコに原子力工学などの研究者や技術者を育成する科学技術大学を設立する」というもの。日本同様に地震国であるトルコだが、防災分野でも研究組織の創設を円借款で支援するという。日本側は研究者の派遣やカリキュラム作成などで協力。開校は2−3年後を目処とし、施設設備はODA活用も視野に入れるという。

    背景には「現地で日本との協力に前向きな研究者や技術者を増やし、日本企業の進出を後押しする効果」が狙いとしてある。これまでは大成建設によるボスポラス海峡横断鉄道トンネルといったインフラ案件が新聞等で報じられることが多かったが、今後は科学技術、人材育成の分野にも両国の協力が広がっていくことものと思われる。


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    2013年10月24日木曜日

    トルコ・レシピの罠


    トルコ食品企業の展示会出展支援の際に、トルコ食材のサンプルをいろいろと頂きました。世界有数の小麦生産量を誇るトルコのこと、基本的にはパスタやブルグル(ひき割り小麦)、またはそれに準じる物が多い中、『イルミックIrmik)』は特に嬉しい一品でした。



    イルミック』とは、セモリナ粉のこと。トルコでは【ヘルワHelva)】と呼ばれる甘~いお菓子を作るのによく用いられます。SELVA社は4種類のイルミックを販売しており、他にオレンジ味、イチゴ味、バナナ味とありますが、今回頂いたものは『バニラ・フレーバー』。

    さっそく材料を用意して、バニラ風味ヘルワを作ってみることに。レシピだったら大丈夫、ちゃんとパッケージに記載されています。

    それでは、レシピを参照しながら、ガッツリ甘くてハイカロリーなトルコ菓子【ヘルワ】を作ってみましょう♪


    ~材料~

    ・バニラ風味イルミック…水用グラス2杯分

    ・砂糖…水用グラス1.5杯分

    ・牛乳…水用グラス1.5杯分

    ・水…水用グラス2杯分

    ・バター…125

    ・松の実…食事用スプーン1匙

    まずここで、「ん?」と思われた方も多いのではないでしょうか。


    水用グラスって何だ?」

    食事用スプーンて?」

    はい。

    トルコ料理のレシピにおいては、計量の仕方が日本とは異なります。「水用グラス」「大チャイグラス」「小チャイグラス」「コーヒーカップ」「食事スプーン(またはスープ用スプーン)」などを用います。
    そこは世界三大料理のひとつ、トルコ料理。計量ひとつとってもグローバル・スタンダードに屈することなく自国の伝統的方式を貫いています。
    ちなみに、チャイグラスとはトルコ・チャイを飲むのに用いられるチューリップ型のくびれのあるグラス、コーヒーカップはトルコ・コーヒーを飲むのに用いられる小さめのエスプレッソ・カップのようなものです。

    「そんなの家庭によってグラスやらスプーンやら大きさ違うじゃん!」と突っ込みたくもなりますが、一応以下の基準があります。

    ・水コップ;250ml

    ・大チャイグラス;125ml

    ・小チャイグラス;100ml

    ・コーヒーカップ;75ml

    また、計るのは必ずしも液体に限らず、計る材料によっては量も変わってくるため、私は下記の表を参照しました。

     
    こちらによると、イルミックの「水用グラス2杯分」は「300g」、砂糖の「水用グラス1.5杯分」は「255g」となります。ふむふむ。松の実は載っていないので、まあ適当に1015gくらいでいいか。


    ~作り方~

    鍋にバターを溶かして、イルミックの色が変わるまで弱火で松の実と一緒に炒めます。小鍋に水、牛乳、砂糖を入れて温め、砂糖を溶かします。このミックス液を茶色くローストしたイルミックに加えて、よく混ぜます。鍋を火から下ろし、蓋をして10分蒸らして出来上がり。


    …とても簡単ですね。これならお菓子作りに慣れていない私にだって簡単にできる~♪

    125gというバターの塊に慄き、255gと言う砂糖の分量に罪悪感を感じつつも、えいや!と雑念振り払って鍋にぶち込んで着々とステップを踏んでいき、「茶色く焦げたイルミックに砂糖入りミルク投入」の段階で、ふと気になってもう一度パッケージを見てみました。

    「ちなみに…レシピの分量ではイルミック300gが基準だけど、もちろん一袋300g入ってるってことなんだよね?」

    ゴミ箱から漁りだした空のパッケージを見て、愕然としました。

    250g入り】


    …ハァ?


    一袋250gなのに、レシピは300g基準ってどういうこと?50gの差が致命的に大きいことくらい、私にだって分かるのに。

    300gが作りやすい分量なんだったら、なぜ一袋300gでパッケージ化してくれない?

    なんで?なんでなんで?ねえなんで????


    SELVA社の社員の胸ぐらつかんでユサユサしたい衝動に駆られつつも、とりあえずここからどう軌道修正しようかと真っ白な頭をフル回転させ、さしあたっては砂糖入りミルクの投入を6分の5程度に加減して投入。


    そしてどうにか完成。

    鍋いっぱいにできたヘルワを適当なサイズに切り分けて頂きます。
                                   



    途中で気が付いたおかげでそれなりにちゃんとヘルワの味にはなりました。しっとりしていてホロホロほぐれる優しいお味。一度食べたら病みつきになるかもしれません。

    まあ甘くて油(バター)がたっぷり入っていれば、それなりにらしくなるざっくりしたお菓子なのでしょう。

    このテキトーかつ大らかな匙加減、それこそがトルコの魅力だったなということに、改めて気が付かされた次第です。
    「なんで?」と思ったらご注意を。それは既に魅惑の迷宮の入り口。

    大体にして計量自体が【水用グラス】とか、改めて、奥が深い。

    そもそも、ホットケーキミックスを作りやすい150gで分包してくれるような日本の、消費者目線に基づいたきめ細やかなサービスの方が、世界規模で見たら稀有なのかも知れません…。


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    2013年10月20日日曜日

    トルコのハマム体験


    前回、トルコを訪ねたとき、初めてトルコのお風呂、ハマムを体験した。去年から今年にかけて、すでに10回ほど「飛んでイスタンブール」であったが、その機会がなく、やっと念願がかなった。ただ、以前、日本のテレビでトルコのハマムを紹介した番組があって、レポータがやたらとお湯をバシャバシャ頭からかけられていた。その記憶が鮮明で、お客へのかなりゾンザイな扱いにいい印象をもてなかった。わざわざ、高いお金を払って、お風呂でリラックスできないのではと、一瞬アタマをかすめたが、TV番組なので面白おかしくやっているのだろうと、先ずは、「論より体験」。試すこととした。

    宿泊先のホテルであった。コースは多岐に渡り、どんなものかがわからないので、コンシェルジュでもらってきた英語のパンフレットを熟読玩味、想像力を掻き立てながら思案。部屋で悩んでいるより、地階にプールとスポーツジムと併設してあるスパの受付に出向いた。

    受付にいくと、先客がいた。同じようにどのコースにしようかと受付の女性と相談中であった。その先客はイギリスからで彼もハマムは初体験の様子であった。イギリス紳士は受付の女性から薦められたベーシックコースを選んだ。私もイギリス紳士に見習ってお試しとしてそれに申し込んだ。  

    こんな感じだ。スチームサウナに10分か15分最初に入って汗を流してはとのことで先ず身体を蒸すこととした。その後、日本でいう「三助」にあたる「ケセジ」が現れ、浴場に案内される。「初体験」ということで期待と不安が横切った。やおら、その三助氏が準備をしていると思いきや、突然、お湯を頭からバシャバシャと立て続けに何倍もかけられた。容赦がなかった。あのTV番組はやらせではなかった。身体をお湯で洗い流したら、次は浴場の真ん中にある大理石の台の上にうつ伏せに寝かされ、垢擦りが始まった。表と裏両方である。そのあと、泡立てた大量の石けんを身体に振り掛けられ、その泡が横になっている顔の方にも押し寄せ、まあ、全身泡まみれ状態、それから全身洗浄、マッサージとなる。

    石鹸水をたっぷりと浸した大きめの枕カバーのようなシーツ状の袋に三助氏は大きく息を吸い込みその袋の中に何度も息を吐き出し、石けんの泡をつくりそれを全身に振り掛けてくれる。泡の降り掛かる感じは悪くはない。ただ、石けんの香りが今ひとつチープな印象で、よく言えば、「昭和の臭い」を感じた。タイムスリップする自分がいた。

    マーサージやこういったところでいつも経験することだが、必ず、こちらがリラックしてサービスを受けているときに、追加メニューを提案してくる。ときにはしつこいぐらいだ。やはり、ここでも最初と途中で聞いてきた。これは興醒めであり、日本の「お・も・て・な・し」から言えば、遠慮いただきたい。気が気ではないからだ。

    トルコのお風呂の経験は貴重で面白いことには間違いない。2012年の日本からのトルコ訪問客数は215,000人と聞く。11月から成田・イスタンブール間の飛行機が毎日1便から2便に増えるらしい。トルコは2014年の日本人観光客数として、35万人の目標を設定した。

    日本旅行業協会(JATA)は昨年10月にイスタンブールで海外役員会を開催、その際に、トルコ文化観光省、トルコ旅行業協会(TURSAB)との意見交換会がもたれている。その場で、トルコ文化観光省審議官のファルク・シャーヒン氏は、トルコ全体の観光目標を発表し、2011年の受入観光客数は3200万人だが、トルコ建国100周年に当たる2023年に5000万人、観光収入は500億米ドルにしたいと発表。「ツーウェイツーリズムの実現」のために日本への協力体制を呼びかけ、また、トルコ旅行業協会会長のバシャラン・ウルソイ氏は、トルコ発の海外旅行者数は1000万人であることに触れ、日本の魅力をトルコ側に伝えて欲しいと話した。

    貿易は2国間における輸出と輸入のバランスが取れ相互乗り入れが活性化されること、また同様に、ツーリズム分野も双方の行き来が質量共に増大することが好循環・善循環サイクルをもたらし両国で恩恵が分かち合えることとなる。そんな意味でも、トルコ流「お・も・て・な・し」を今後トルコは日本との協調関係のもとツーウエイツーリズムの実現に向けて努力を傾けて欲しい。同時に日本もトルコに向けて「日本の魅力」を伝える努力が待たれる。

    今回、カメラを持たず浴場へと出向いたので、決定的な写真を撮ることができなかった。次回、微細にレンズに納めた珍写真が披露できればと思う。



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