2013年11月9日土曜日

トルコでビールが飲めなくなる日?!

昨晩、トルコレストランで友人と食事をしていたら「トルコでビールが飲めなくなる日?!」が話題になった。日本ではそういうこにはならないが、どうしてトルコが?
以前、新聞で「トルコでビールが飲めなくなる日」の見出しが踊っている記事を読んだことを思い出した。家に戻ってその記事を検索し、引っ張りだしてみた。こういう背景だ。

今年5月のトルコの国会で、イスラム色の強い与党である公正発展党(AKP)が酒類の販売・広告の規制に関する法案を提出。それが、賛成多数で可決。お酒が飲みにくくなるとの懸念がいっきに広まった。酒類の法案では、10:00pm~6:00amまで小売店での酒類の販売を禁止し、違反した場合は罰金50万トルコリラ(約2500万円)以下を科すという厳しい内容。もちろん、バーやレストランでは適用外だが、お酒の広告禁止、映画やテレビドラマに映ったお酒も「ぼかし」を入れるとのこと。


AKPが2002年に政権を獲得して10年が経過。イスラム色の強まりに対する世俗派の危機感は大きい。トルコで日本の経済や政治の話しになると、必ずトルコの指導者の話しにも発展し、そこで今のエルドアン首相の評価が話題にのぼる。トルコの高度経済成長を築き地域大国として躍進してきたのはエルドアン首相の功績と認めつつも、露骨に嫌悪感をあらわにする人が多い。世俗派の人たちは「首相はトルコをイスラム化する、秘密の政策を遂行しようとしている」との懸念、警戒感を強めている。
Photo by Rakuten

トルコの自動車の税金も日本に比べ異常に高い。エンジンの排気量の小さい車種はまだいいが、1600cc以上になると80%、2000CC以上は130%。同様、ビールに対する酒税も上がる一方で500ミリリットル入り缶ビールの店頭価格が2009年に比べ8割上昇し、約4トルコリラ(200円)。アルコールのretail permit(小売許可)も役所から出にくいと聞く。その結果、「お酒の出ないレストラン」も増え、世俗派のライフスタイルが赤裸々にインパクトを受け、怒り沸騰の図式へと向かっている。


トルコ航空は政府が49%出資するトルコのナショナルキャリアー。国内線のほとんどの路線でお酒の提供が停止されたらしい。今年の5月頃、客室乗務員に対して「赤い口紅とマニキュアは禁止」「カカトまでの長いスカートを採用」との社内規定が出されるや、世俗派の猛反発を受けて撤回したという話しも漏れ伝わってくる。

エルドアン首相は2014年夏の大統領選に出馬意向があると聞く。もし、当選して2期10年を務めることになれば、あのトルコを代表するエフェスビールもトルコ料理にベストマッチングなトルコワインも日本でしか楽しめなくなる日が来るかもしれない!?


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